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公開2日目の日曜日、ついに待ちに待ったバケモノの子を見に、仕事の友人を誘って行ってきた。
細田監督の作品は大好きで、かかさず見に行っている。
サマーウォーズは好きすぎて劇場に4回足を運んだほどだ。
時をかける少女、サマーウォーズ、おおかみこどもの雨と雪。
どれも心に刺さる傑作だ。

ただ、このバケモノの子は、結論からいうと期待していたものとは離れた作品であった。

まず感じたことは、なんとも薄っぺらいということ。
主人公は家庭が複雑で、父親は離婚していて、母親も交通事故にあう。
そしてさらに、親戚もその葬式で「交通事故だから仕方ないの」みたいなことを言うのだが、それが非現実的で感情移入できない。
それで九太はグレて家出するのだが、そもそも母親が劇中で出てこなく(謎の幽霊みたいのでは出るが)、葬式のシーンも説明的にさらっと終わるので、九太の辛さというものがいまいち伝わってこない。
本当に説明を受けているだけ。

熊徹はなんともディズニー的なキャラで、不器用で乱暴だったのが、九太に出会って優しさが芽生えていく。
その過程に、人間的な複雑な心のブレがない(まあ人間でないのだが)。
今までの細田作品のキャラクター達は実に人間的であった。
例えば、花の「子供が自分の道を選ぶことを望んでいたはずなのに、いざそうなると不安になる気持ち」や、真琴の「千昭のことを自分がどう思ってるのか分からなくて無性にモヤモヤする」といったものである。
そんな生々しい感情を感じることがなかった。

そして、重要なセリフの使い方も雑だったように思う。
作品のテーマである「親子愛」や「人間の心の弱さ」というものを、キャラクターが直接セリフとして言ってしまうのである。
例えば、楓が九太に「人間は誰でも闇を抱えてるの」などと言ったり、一郎彦に「闇に飲まれたあんたなんかに負けるわけないんだがら!」と言ったりするところだ。
特に楓のセリフに多いのかもしれない。
九太と熊徹の関係は、いつもいがみ合ってしまう感じが良かった。
普段はそんなだけど、本当に大事なときだけ、相手を想うことを話すところが良い。

展開はなんともご都合主義なところが多い。
特に、ラストの一郎彦とのバトルシーンは、まさに王道というもので、闇に飲まれた敵を愛と友情で打ち砕くという展開。
さながらワンピースやプリキュアを見ているかのようだ。
分かりやすいといえば分かりやすいのだが、細田監督がなぜここまで分かりやすく作ったのかがわからない。
対象年齢で言えば10歳くらいではなかろうか。

本作はいったいどういう位置づけの作品なのだろうか。
これは、やはり子供に対するメッセージを込めた作品なのである。
親子の愛と、非行に走ろうとしても闇に負けちゃいけないっていうメッセージが、何にも包み隠されず、どストレートに語られる。
包み隠されていない分、子供にもわかりやすい。
さらに、ディズニー映画的なコミカルなシーンで笑いをとり、子供の心を掴むことに成功している。
実際に劇場では、私が見ていて恥ずかしくなった修行のシーンで、子供達とその親御さん達はゲラゲラ笑っていた。
つまりはそういうことで、子供達はとても楽しんでいたのだ。
なので、私のような大人がどうこういうような作品ではないのだ。

興行的にも成功していて、開始2日間で6億6千万と、おおかみこどもの182%だそうだ。
大ヒットである。

細田監督は次世代の宮崎駿になるのだと思っていたが、目指しているのはウォルトディズニーなのかもしれない。
細田監督の作品が大好きな私の個人的な思いとしては、もっと深みのある作品が見たく、ウォルトディズニー化することはとても寂しく思うのである。


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