15年前に父がMacを買ってきたおかげでSEになれた話し

スポンサーリンク

私の田舎は、北海道の山奥の町である。

家からコンビニまでは徒歩40分かかり、そもそも市内にコンビニは4・5軒しかない。
高齢者率は非常に高く、人口もどんどん減少している。
市内のほとんどは森である。
若い人は珍しく、道を歩く人は老人ばかりで、夜7時をすぎると外には人っ子一人いなくなる。
小中学校のときは、同級生20人ほどで、ずっと1クラスだった。
15年ほど前になるが、携帯電話を持っている同級生などおらず、ましてやパソコンを持っている家庭なんて1つもなかった。
「テクノロジー」なんてものは、そうそうこの町に入ってこない。
アナログの町であった。

そんな町に居ながら、うちの父は先進的であったと思う。
パソコンを見たこともない人が95%以上を占めているであろう町で、なんと父は突然Macを買ってきたのだ。
私がおそらく小学4年生ぐらいのときである。

今となってはモデル名は分からないが、画像を探す限りPower Macintoshのどれかのモデルである。

20140910-134657.jpg
参考

私は、見たこともないマシンが、キュイーンと音を上げて起動し、リンゴのマークをごついモニタに表示したのを見て、目を輝かせた。
そして、たくさん付属していたCD媒体のソフトでゲームやお絵かきをしていた。

その後、中学校にあがり、我が家にWindows98のマシンがやってきた。
機械がめっぽう弱い母が買ってくるわけもなく、もちろんまた父が買ってきたのだ。
そして、なんとインターネットを付けてくれたのである。

当時は、従量課金のISDNである。
というか、それしか選択肢が無かったのだろうと思う。
あんな山奥にADSL回線なんてあるわけなく、電話線を使ったISDNが限界である。
むしろ、それですら使えたことが奇跡のように感じる。

私は、当時流行っていたデジモンのファンサイトのチャットにのめり込む。
定額制ではないので、1日に使える時間は数十分に限定されていたように思う。
私は親がいないすきを見つけてチャットをし、料金が1万円を越えてこっぴどく怒られたこともある。
それでも、どんどんコンピュータが好きになっていった。

高校3年生になり、私は進路に悩んだ。
学部を選ぶことができなかったのである。
就職率がどうこう言われても、まだ高校生の自分にはピンとこなかった。

宇宙物理学、経済学、機械工学、色んなところに興味を持った。
しかし、最終的に選んだのは情報学部だった。

そのとき、パソコンでプログラミングをしてみたいと思ったのである。
私は、高校の途中で、やっとプログラミングというものを知った。
しかし、やり方は何もわからず、もちろん周りに詳しい人など居るわけもなく、実際にやったことはなかった。
それでも、父のパソコンで動いているソフトを、自分でも作ってみたいと思ったのがきっかけだ。

父がパソコンを与えてくれたおかげで、私はパソコンに興味を持ち、その道を進むことが出来たのだ。
それがなければ、パソコンという機械がどういうものなのかさえほとんど分からない若者になっていただろう。

そしてなんとか中流の大学の情報学部に入学した。
国公立の大学に入ったのは同級生で私だけだったので、中流でも親は喜んでくれた。

そして、卒業後に院に進み、就活の時期がやってきた。
その頃、インターネット上でプログラミングを学べるサイトをたまたま知り、ちょっとやってみたら面白く、在学中薄れていたプログラミングへの興味が、また湧いていた。

それもあり、IT業界を中心に就活を行った。
他学部の同級生を見ていると、就活というのはとても悲惨な戦いであった。
何社にも落とされ、憔悴した顔を、就活イベントなどで何度見たことか。

その点、私の就活は世間で言われているほど悲惨ではなかった。
もちろん数社からは落とされたが、最終的にそこそこのSI企業に入ることが出来た。

そして、私は今、東京でエンジニアとして働いている。
あの何もない山奥に住んでいた私が、日本一の大都会で働いているのだ。
テレビの中だけの世界であった、夢の街、東京。
そんなところに自分が住んでいるというだけで、たまに信じられなくなる。
ちなみに、高校の同級生で北海道を出ている人は、私の他に1人か2人ぐらいである。
それぐらい、地元に産まれて地元で死んでいく町なのだ。

どちらが良いという話しではないが、私は東京でやりたいことがあるので、本当に上京できて良かった。
今は東京がとても楽しい。

それもこれも、父が私にパソコンを与え、道を開いてくれたからである。
私はよくはてブに上がるようなスーパープログラマーではないが、私のポテンシャルの中では最も良いキャリアを歩めていると思う。
父は残念ながらもう亡くなってしまったが、とても感謝しているのである。
ありがとうございました。


スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です