小説 おおかみこどもの雨と雪 感想

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小説版のおおかみこどもの雨と雪を読みました。

映画の方は劇場へ2度足を運んでいるので、内容は完全に分かっていました。
そのおかげなのか、細田監督の文章表現が素晴らしいのか分かりませんが、物語の情景をリアルに脳内で描き出すことが出来ました。
しかも、ただ映画のままをトレースしていく感覚ではなく、より感情移入して読むことが出来ました。
それはおそらく、登場人物の感情がより詳細に描かれているからでしょう。
映画で登場人物の外見と場面となる風景を見ておいて、小説でより深く物語を味わうという楽しみ方も良いですね。

さて、この作品は様々なブログやwebサイトで感想が書かれている作品です。
それらの内容は、肯定的なものから否定的なものまで、まさに賛否両論となっています。
私は、結論から言えばこの作品が大好きです。

私が最も感銘を受けたのは、終盤の雨の感情と、花の感情です。
成長した雨は、花のもとを離れて森に入っていきます。
最初に映画を見た時、こんなにも雨のことを思っている母親を振りきって出て行く雨はひどい奴だと思いました。
でも、よくよく考えると、この行動は現代の子供はだいたい通る道なんですよね。
家制度が強いところで無い限り、進学などで親元を離れていく人が多いです。
私も地元に母親を残し、離れた所で一人暮らししています。
家族と過ごすことより、自分の人生でやりたいことを優先しているんですよね。

じゃあ家族のことはそれっきりほったらかしでいいかと言うと、そうではないですよね。
今まで頑張って育ててくれた両親を、独立したからといってほったらかすのでは、あまりに寂しすぎます。
育児というのは非常に大変だと聞きます。
共働きの家庭であればさらに大変でしょう。
そんな苦労をしてでも、愛情を注いで育ててくれた両親に対して、子供が出来る事とはなんでしょう。
それは、立派に成長した事を両親に見せてあげる事なんじゃないかと、花に向かって悠然と雄叫びをあげる雨を見て思いました。

花も、最後に笑顔で「しっかり生きて!!」と雨に向かって叫びます。
そして、雪も出て行って一人っきりになっても、満足そうに笑うのです。
なぜ子供達が巣立っていっても笑ってられるかというと、自分の子供が立派に成長したことが嬉しいからなのかなと思いました。
私はまだ親になるなど到底考えられないので、実際に親がどういう気持なのかは分かりませんが、そんな気がします。
そして、雨の雄叫びが時折聞こえてくるから、それだけで家族であることを実感できるのでしょう。
でも、雨は1年に1回ぐらいは家に戻って欲しいと私は思うんですけどね。
人間の匂いがつくなどの狼の特別な事情があるのかもしれませんが。
もしかしたら、雄叫びが雨にとって花に会いにいく代わりなのかもしれません。
私も、正月とお盆ぐらいは親や兄妹に会いに行こうと思います。

最後の花の幸せそうな笑顔を想像して、家族っていいなと思わされたお話でした。


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