感情の振り子効果

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先日トップをねらえ!を見終わりました。
ボクはこの作品に非常に衝撃を受けたのですが、それはなんでだろうと考えていました。
その結果、トップには感動を増幅する仕組みがあることに気づきました。
とりあえずボクは、これを感情の振り子効果と呼ぶことにしました。

感情の振り子効果とはなんなのか。

トップの第六話、最後のシーンでノリコとアマノは1万2千年後の地球に帰ってきます。
これは、ブラックホールに一度飲み込まれたことによるウラシマ効果によって、数時間が地球での1万2千年になってしまったからです。
この絶望感がハンパでないんです。
数時間前に一緒に戦った仲間はすでに死んでいるだろうし、1万2千年後の人達が自分たちを受け入れてくれるのか、そんな未来で自分達は生きていけるかもわからない。
そもそも、人類がまだ地球で生存しているかさえわからない。
命をかけて地球を守ったけど、その結果人類は自分たち2人だけかもしれないのです。
ノリコとアマノは、光のない地球を宇宙から見て気持ちが沈みます。
観ているボクら観客も、同じ気持ちになって絶望感に襲われます。
その瞬間、地球が急に光り始め、「オカエリナサイ」という光のメッセージが浮かび上がります。
1万2千年後の人類から、1万2千年前の英雄への感謝のメッセージですね。
これによって人類はまだ生きていることがわかり、さらに地球をあげてこのイベントをするほど、自分達は受け入れられているんだってことが分かります。
ここで、さっきまでの絶望から、ブワーッと一気に安堵の気持ちに上がっていきます。
これにめっちゃ感動するんです。

私の好きなブログにこんな記事があります。
最高かつ最低 – B2
この記事の趣旨は、相手の感情を揺さぶるほど、簡単にマインドコントロールできるというものです。
そして、そういう人は魅力的だということ。

さらに、この記事の中で紹介されている別の記事では次のように述べられています。
30点のいい人が60点のいい人になった場合、30点の印象アップになる。
しかし、-50点の人が60点の人になった場合、110点の印象アップになるということです。
人はこの振れ幅に弱いらしい。
同じ60点でも、110点印象アップしたほうが圧倒的に魅力的に感じてしまうんだそうな。

トップで使われている手法はまさにこれだと思います。
一度絶望に落としてから、一気に幸せな方へ引き上げる。
仮に、1万2千年ではなく、普通に数時間で帰って「オカエリナサイ」のメッセージがあっても、爽やかな感動はありますが、次の日にはもう忘れてるくらいの印象しか残らないでしょう。
このように、観客の感情を大きく揺さぶることで、感動も絶望も増幅されていくんですね。

これが、ボクが感情の振り子効果と勝手に名づけたストーリーの構築法です。

しかし、これはなにもトップだけに使われている手法ではないと思います。
メジャーな映画ではだいたい使われている手法です。
映画のストーリーを構築するとき、通常は3幕構成で作られます。
日本語では序破急とよばれる3展開ですね。
急はまさにクライマックス、物語の一番の盛り上がりのシーンですが、破から急に行く時にだいたい振り子効果が盛り込まれています。
破の終わりに、主人公達はだいたい窮地に立たされます。
そこで、観客は不安になり、ドキドキするわけですね。
それを急のクライマックスでド派手に打破するために、めっちゃ感動するんです。
このように、この手法は昔から取り入れられているメジャーな方法です。

大切なのは、物語を作るときに、この効果を盛り込むかどうかです。
観客を大きく感動させたい、というモチベーションのもとに物語を作る場合は、これを積極的に使っていくべきだと思います。
しかし、娯楽寄りの軽い作品、例えば「ゆるゆり」や「みなみけ」みたいな作品(ボクの趣味でごめんなさい)を作る場合は、あまりこの効果を盛り込むべきではないでしょう。
なぜかというと、この効果は感動はするけど、その分疲れるからです。
仕事から帰ってきて、とにかく何も考えず癒されたいという時に見るアニメや映画では、逆効果になっちゃいますよね。

その辺は、どういう需要の作品を作るかで変えていくべきでしょう。
ということで、トップで考えたことまとめでした。


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